電気防食の技術
信頼の防食技術、ラスカット工法

確かな技術で、大切な給水管を延命・保全する
電気防食システム『ラスカット工法』

給水管の変遷と現状

日本の水道用給水管は、戦後亜鉛めっき鋼管が万能の管材として用いられ、昭和50年代前半まで多用されてきました。一方、塩化ビニルライニング鋼管は、昭和35年に関西地区の公団住宅で試験的に採用され、徐々に広がっていきましたが、昭和52年建設省仕様に記載されたことを契機に需要が本格化し現在にいたっています。

近年は、腐食しやすい継手部を改良した管端防食継手が製品化され、採用事例も増えてきています。しかしながら、この製品にもネジの加工精度やねじ込みトルクの施工管理などの課題を残しています。現在、大規模改修が進められている塩化ビニルライニング鋼管の給水管も、継手部などに錆が発生しています。

塩化ビニルライニング鋼管の腐食部位

塩化ビニルライニング鋼管の腐食部位は、下図および抜管写真のように、大部分が管端部とあまりネジ部に集中しています。侵食が著しくなる前に適切な延命処置をとる必要があります。

鉄材の腐食と防食形態

自然界に置かれた鉄材は腐食領域にあり、水と接触すると下式のような化学反応を起こして腐食します。

Fe→Fe2+ + 2e-(イオン化)
2Fe(OH)3→Fe2O3+3H2O(赤錆)
2Fe(OH)3+Fe(OH)2→Fe3O4+4H2O(黒錆)

腐食する金属の防食形態には、右図で示されるように不動態領域と不活性領域という2つの形態があります。不動態領域とは、金属の表面に緻密な酸化被膜を形成して水と酸素を遮蔽する防食技法で、銅やステンレス鋼の管材が代表的な適用事例です。不活性領域とは、金属が酸素などと結合することのない不活性な状態にする形態で、水を介して防食電流を流入させて鉄材を不活性化する電気防食法の防食領域を示しています。ラスカット工法は、この技法を給水管延命に応用した電気防食工法です。

クリックすると大きな図が開きます。

異種金属接触部の腐食と電気防食

自然界では複数の接触した金属が水に触れると、右表に示す電位の高い卑な金属から、電位の低い貴な金属に電流が流れる腐食電池が形成され、卑な金属が腐食します。給水管のメーター廻りなどの異種金属(鉄と銅)接触部が特に錆びるのは、鉄と銅では、鉄の方が卑な金属なので、鉄が陽極となり銅に電流が流れ、鉄が消耗するからです。
鋼材の電流が流出する陽極部は腐食しますが、電流が流入する陰極部は、錆の原因となる酸素と反応しない不活性な状態となり防食されます。この原理を応用して、水に接した被防食体(鋼材)に対して、別の場所から被防食体に接する水を介して強制的に直流電流を流し込むと、被防食体の表面はすべて陰極になり、防食状態になります。この防食状態は、電流が流れ込んでいる間継続されます。

各金属の標準電位
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ラスカット工法の防食確認試験

簡単な防食確認試験で、防食効果が目視で確認できます。

水道水中に2枚の鉄板を浸し、左側の鉄板には防食電流を流し、右側の鉄板は浸漬のみにして経過を観測します。防食している鉄板にはまったく発錆が生じていません。一方、防食していない鉄板は、錆が顕著に発生し、腐食の進行を明示しています。

電気防食の実験を動画で説明