安全かつ在宅要請が不要な工法を採用
Sマンションでは、3年にわたり給水管更新を始め、8つの工法を詳細に分析し、導入すべき工法を検討した。
配管診断では直管部分のサビ腐食はあまり見られず、エルボ部分の腐食が問題と診断された。
工法について議論が交わされる中、例えば配管更新工事は、安全性や耐久性などは高くメリットは多いが、さほど腐食が進行していない直管部分までを取り替えなければならず、さらに長期間に及ぶ工事とそれに伴う騒音、そして高額な工事費用が懸念された。
どの工法も「帯に短し、たすきに長し」で決め手に欠けていたところ、系列マンションとの情報交換会で、ラスカット工法導入1年目の経過報告があった。その内容は、「目的とした防食効果が十分に発揮されている」「刺激のない、くせのない水になっている」等の報告で、「カルキ臭が少なく、ミネラルウォーターと比べて何ら遜色ない水になった」とべた褒めだった。
修繕委員会はこれを受け、詳細な工法説明を受けるとともに、取り寄せた資料の分析を開始した。
ラスカット工法は実際の施工も各戸に入室しての工事が不要なことから各戸に在宅要請する必要がないこと、そして薬品や添加物を一切使用しないなどの利点から、修繕委員会でラスカット工法の導入を決定した。