マンション配管内の給水管のしくみと変遷
マンション配管内の給水管のしくみと変遷

マンション屋内給水配管材料の変遷

炭素鋼鋼管系配管材料の変遷
炭素鋼鋼管系以外の配管材料の変遷

給水管のシステム

給水配管材料

耐久力をアップした耐衝撃性塩ビ管

1960年から1970年までの十数年の間、「配管用炭素鋼鋼管」に亜鉛メッキを施した「水道用亜鉛メッキ鋼管」が屋内・屋外(小口径管)配管として広く用いられてきました。 しかし、この亜鉛メッキ鋼管は、経年により管内部に錆が発生し、赤水の被害が各地で出てきたことから対策が必要となりました。(水道水の原水が悪化し、殺菌のためにこれまでより多く塩素を添加するようになったことが原因。)

1970年以降、給水管の直管部分は「硬質塩化ビニルライニング鋼管」が普及し、これに加えて1980年頃より「ステンレス鋼管」も使用されるようになりました。 さらに、近年では配管の耐久性を高めるため、内外面を防食対策した「架橋ポリエチレン管」、「ポリブデン管」、「耐衝撃性塩ビ管」等が開発され、使用されはじめています。

屋外配管は大口径管が多く、1960年代では「水道用鋳鉄管」、1970年代以降は「水道用ダクタイル鋳鉄管」となり現在も使用されているものが多く、1985年以降は「水道用ゴム輪型硬質塩化ビニル管」も採用されています。

継手部分

赤水問題を改善した管端防食継手

「亜鉛メッキ鋼管」が「硬質塩化ビニルライニング鋼管」となったことから、曲がり部、継手部分にも直管と同じ様に耐食性が求められるようになりました。

1970年代当初は継手部分にエポキシ塗料を塗布したもの、1975年以降は樹脂コーティングした継手が用いられていましたが、1980年代後半より接続部の管端を防食するものとして、コア付継手が開発され使用されはじめました。

さらに、1990年以降は防食性をより高めた「管端防食継手」が開発され、水道水の赤水問題は大幅に改善されています。

経年劣化と修繕周期

給水管の劣化の程度は、配管の種類、配管、継手の材質、水質や修繕履歴等によって異なるため、周期にはかなり幅があります。

給水管の経年劣化と修繕周期

基本工事

給水管(屋外・住棟内教養配管および住戸内専用配管)内部の発錆や腐食など劣化による傷み(赤水・漏水)対策として給水管の更生延命や取替え工事(更新) を行います。 弁(バルブ)類は更生工事が行えないので取り替えます。また、給水管とバルブ・減圧弁・量水器等との接続部は異種金属配管となり、局所的に錆の付着や腐食が生じやすいので、こちらも取り替えます。

更新(取替え)工法と更生延命工法

給水管の改修としては、更生延命工法はあくまで延命方法であり、いずれは更新が必要となるため、更新工法が望ましいとされます。 しかし、過去の改修事例では、共用部分は更新工法、住戸内専有部分は更生延命工法とするものが多くみられます。 住戸内では床下配管や壁などの仕上材で隠ぺいされている部分が多いため、更新をするとなると工事期間も長く、費用も多く掛かることが想定されます。そのため工事も比較的容易で、日常生活への影響も少ない更生延命工法が採用されているのです。

ただし住戸内でも露出工法による更新を行う場合もあります。近年では天井裏などを利用して、水栓器具の使用箇所で立ち下げ、露出した部分をプラスチックカバー等で隠ぺいする方法も普及しています。

屋外露出・埋設給水管は内部腐食だけでなく外部からの腐食が進行していることがあるため、原則として取り換え工事が行われています。

主要対象部位

給水管の対象部位は直結給水管と受水タンク(受水槽)以下給水管の2つに分類できます。 近年では高層マンションへの「増圧直結給水方式」が急速に普及しており、浄水場からひかれた水をタンクに貯めず直接飲むことができるようになっています。 また、受水タンクの清掃の手間が省けることから自治体単位で「増圧直結給水方式」の普及を推進している所もあります。

主要対象部位

ただし、「増圧直結給水方式」の場合、給水管の腐食を防止し、延命・保全を図る工法によっては直結給水が認められない場合があります。

水道局の実証実験をクリアしたラスカット工法※

「ラスカット」は電気防食を給水管防食に取り入れた工法です。外部から防食電流を供給し、腐食の原因になっている電流を消滅させます。 水管内に一定電圧に調整した電流を流すことから、水道メーターや配管への影響や、水質への影響も懸念されましたが、横浜市水道局による実証実験の結果、影響はないと判断され、電気防食装置の設置が認められました。 ※横浜市での実証実験

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